うつ病治療薬を服用する際の注意点

症状が改善しないと感じても服用を続ける

うつ病だと病院で診断された場合、まずは薬による治療を勧められるでしょう。精神科というと、ドラマの描写などを通じて医者に自分の悩みなどをじっくり聞いてもらって治していくというイメージを持つ人もいるかもしれません。これはカウンセリング治療と呼ばれるもので確かに存在していますが、保険診療の対象ではないのです。薬を飲むだけで本当に精神的な病が治るのかと疑う人は結構いるはずで、実際、薬を飲んでもよくならないなどの不平不満をSNSなどで漏らしている人がいますが、それでもきちんと服用することが大事です。

では、なぜ「薬が効かなかった」と不満を漏らすうつ病患者がいるのかというと、うつ病に絶対に効く特効薬というものは存在しないからです。うつ病に対する治療薬はいくつかあり、それぞれ薬効は多少異なります。そして、どの薬が患者に一番合うのか、初期の段階では医者にも判断できません。そのため、いろいろな薬を出して様子を見るのですが、薬が効かないと言っている人はまだ医者が試行錯誤している段階で出してきた薬を飲んでいる可能性が高いです。あまり効果が感じられない場合はそのことを医者に伝えましょう。そうすれば、医者は別の薬を出してくれるはずです。

薬をたくさん飲んだ方がよく効くという考えは危険

出された薬を服用する場合、どんなことに注意すればいいでしょうか。まず一番の注意点は服用する量を守ること。薬を長く飲んでいると耐性がついてきて効きづらく感じられたり、あるいは薬を飲んでいないと不安が抑えられなくなってくることがあります。そういうとき、たくさん飲めばその不安を解消できるのではないかと考える人がいますが、副作用が出る可能性が高くなりますし、余計に耐性がついて薬が効かなくなっていくでしょう。うつ病の治療は最終的に薬を飲まなくても大丈夫な状態にすることが目標であり、薬に依存してしまうと治癒が難しくなります。

逆に、治ってきたような気がするし、薬に依存するのが怖いので服用を勝手にやめてしまうのもよくありません。出された薬は必ず飲みきるようにしましょう。また、薬の服用を自己判断でやめてしまう人は、大抵、医者に行くのも途中でやめてしまうものです。しかし、治療を中途半端な状態で止めてしまうとうつ病が再発してしまう可能性が高くなります。自分で症状が改善しているし、もう薬を飲まなくてもいいんじゃなかいと思ったら、医者に相談してみることが大事です。医者の方でも同様の判断を下したら、そのときは薬の服用を止めても構いません。